良い演奏会

サントリーホール東京都交響楽団定期演奏会
いわゆる東欧プログラムでバルトークルーマニア民俗舞曲》、コダーイ《ハーリ・ヤーノシュ》、バルトーク《青ひげ公の城》の三曲。
前半の2曲はノリがよくて楽しかった。バルトークのほうはリズムの刻み方とかがマイケル・ナイマンのそれを思わせた。コダーイのはチェンバロが活躍。羽ペンみたいので弦を叩くって感じの奏法なのを始めて見て知る。女子十二楽坊の楽器みたい。見て楽しいのが演奏会へ行くことの楽しみで、この日は年度末ということもあって定年引退をする楽団員の人がいたようで、客席にその人をねぎらう横断幕が登場したり、ステージ上でも楽団員同士声を掛け合う姿があったりしてほほえましかった。
ちょうど近くの席に四国のN先生がいる。ま、N先生がそこに座るというのでこちらがその近くに席を取ったのだけど。休憩時間に久闊を叙しながら雑談。《青ひげ公》に出てくるソプラノの緑川まりはビア樽みたいな体でさあ、とかいうので実際出てきたときには笑いをこらえた。ビア樽の声がよく聞こえなかったけど、とにかくビア樽なインパクトはすさまじい。バルトーク唯一のこのオペラ、結構陰惨な物語で、実際オペラのほうを見てみたいもんだなあと思った。

終演後、N先生の同級生Sさんと一杯。Sさんとても明るい人で、グレイプバインのボーカルに似た感じのかっこいい人。プロの奏者ならではの練習話や巨匠のタクトで演奏したときの話がおもしろい。そうか、朝比奈隆の晩年の独特の間合いというのは意図したものでもなくて、緩慢になった動きにオケが音をつなごうつなごうとしてがんばった結果でもあるのかあ。あと合奏練習までのプロ奏者たちの対応も面白いなあと。できそうだな、とおもったら楽譜を借りることもせず事務所の棚に戻すとか。それでも出来ちゃうんだからすごいなあ。
N先生も愚痴を相変わらずこぼしながらご満悦のご様子。3人でいいちこをクイクイ。たのしかった。

深夜、銀座でお世話になったKさん含めて。西麻布を出るころには朝だったとさ。