匿名コラム讃

東京新聞の「大波小波」は文壇事情をバッサリとやる匿名コラムで、それはそれは歴史のあるコラムである。いつも楽しみにしている。文体が斎藤美奈子チックだったりするときがあったりするが、意図的にやっているだけなのかもしれない。匿名なので知りようがない。辻仁成とかやられてるのを見るとムフフとなる。
『文学界』で相馬悠々というひとの「鳥の眼・虫の眼」というのも匿名コラム。これも文壇事情をとりあげていて、非常に面白い。7月号では作家が大学の先生になることについて寸言してた。昔は大学の先生が作家になるほうが多かったが、今は逆なのであると。星野智幸とか教えているんだもんなあ。そこで思い出したのが5月18日に亡くなった平岡篤頼で、角田光代は早稲田の文芸専修で「平岡先生」に教わっていた。毎日新聞6月2日夕刊に角田光代が追悼文を寄せていた。
『諸君!』は「麹町電網測候所」「紳士と淑女」と匿名コラムが並ぶが、6月号から軽手思庵「一読惨憺」という怖いコラムがはじまっている。7月号は高橋哲哉『戦争責任論』がボコボコにされていた。
怖い怖い。