ギロッポン

癪にさわる街、六本木。偉そうに聳え立つ虚飾の塔「森タワー」内で「東京−ベルリン展」をやっているので見に行った。不本意だが。キルヒナーが目当てだったのだが、それほど数があるわけでもない。昔、府中美術館でやってたドイツ表現主義展は最高だったのだが、今回のこれは1920年代から現代まで追いかけてるので総花的。つかれた。タミフルが効いたのか途中眠ってしまう。日本の誰が誰に影響受けて表現主義なり未来派の技法を実践してるのか、など説明が省かれすぎ。なんで赤松麟作の「夜汽車」や白瀧幾之助の「稽古」が展示されていたのか素人にはわからない。それにしても六本木ヒルズの迷宮っぷりはどうにかなんないのか。外に出たいのに延々20分うろうろしてしまった。あれ、不測の事態があったらオフィス棟ではたらくホワイトカラーたちはヒルズ内でパワーランチとやら(プ)を食っていようと、とっとと逃げおおせることができるだろうが、われわれ非ヒルズ民は死ぬな。

先日草津に行った。湯もみショーに出てくる湯もみおばさんの顔が、まさしく温泉街のおばさんの顔だった。みうらじゅんが標本にしそうな。パプアニューギニアの奥のほうにもきっと類似した顔の人がいると思う。文化人類学的な物思いにふけったことだった。あと、まんじゅうを無理やり食わせる店があるので草津に行くときは心しなければいけないと思った。温泉街ならではのいかもの感がたのしい。

湯川潮音のアルバムを買った。伊福部昭が死んだ。岩波現代短歌辞典を買った。