すばらしき石田ゆり子

きのう旭山動物園の番組をやっていて(レポーターが上原美佐だった)、いやあ旭川は寒そうだなあと思っていたら、今日はわが故郷で「流氷初日」を観測したらしい。もうほんとに寒い季節。
だからというわけでもなく、朝、新宿で行定勲北の零年」を見る。いやあ、寒い寒い。原風景としてある蝦夷松が葉をつけるでもなく黒々と山に生えている、その殺風景が寒さを思い起こさせてくれる。寒い。
吉永小百合が何をしゃべっても「アクオス」と言ってるように聞こえてしまって困る。子役の女の子がかわいい。成長して石原さとみになるんだけど、さとみも相変わらず唇がやらしい。が、そんなことはどうでもいいくらいに、石田ゆり子がすばらしい。結局のところ陰りのある悪女にさえ近い役どころなんだけど、冒頭のシーンでチラッと見せる、嫉妬したような(でも嫉妬に文脈上なんの関係もないシーンなんだけど)、男のためならなんでもするといった「狂気の入った」顔にもう、やられた。普通の会話のシーンなんだけどそんな顔が見え隠れする。とすれば、のちのちそういう人物として描かれるんだから、かなりの演技力なんだなあ。そのほか、ゆり子の髪のほつれや食事のシーン(空腹に耐え切れずあたりかまわずむしゃむしゃがつがつ飯を食うのがものすごくエロい)にも反応。でもなんで最後には善人になるのかなあ。悪女のままでいてほしかったね。
この映画寒さには徹底したのか、テーマ曲の演奏はモスクワのオーケストラになってた。
でも言ってしまえばラストサムライ渡辺謙会津藩ラストサムライにしてやられるっていうおちなんだけど。いろいろと北海道の歴史を考えてしまったし、さらっておかないとならんと思ったけれど、2時間48分は長すぎではないかい。まあ石田ゆり子に免じて許そうか。