踊念仏マツケンサンバ

tanimurizm2005-03-08


こたえてちょーだい」(放送第999回)の時間を変更して「TOB成功」の記者会見を生中継したフジテレビを見入る朝。日枝会長のネクタイが金色の鯉みたいな柄で気合が入っているなあと感心。ちょっとだけ逸見政孝に似てないかなあ、この人。

夕方、東京ドーム。
マツケンサンバⅡ in東京ドーム」公演。
思ったより人が来てて(報道では1万人とも2万人とも)なんだかほっとする。
白馬に乗って張りぼてのお城から見参したマツケンに対し「ケ〜ン!」とか、コマ劇ではまずありえないだろう嬌声が凄い。ちゃんと暴れん坊将軍のテーマで出てきたので笑っちゃう。
白馬に乗って現れるって、そうか、明治天皇みたいなもんか。そのときドームは二重橋にあらわれた明治天皇を拝する皇居前広場のごとき空間になったのだった。
ところがマツケンはおもむろに馬から降りてステージに上ると観客席一体を睥睨し、いきなり地下に沈んで行った。
神様が一瞬だけ目の前にあらわれたような、ポカ〜ンとした空気がドーム中を襲う。
そのあとこちらからするとマニアックな持ち歌の数々を披露。マツケンサンバしか知らない聴衆からすると、こんなウェットでリリカルなムーディーな歌を甘い声で歌い上げるんだ、という発見があり興奮。やたらもみあげの長いかつらで黒い衣装を着てみたり、必然性のないかいわれ大根みたいなアンテナを頭から出してるかつらをかぶったり、かまぼこみたいなでかい扇子を持って舞ってみたり、涼風真世みたいな女の人といきなりデュエットし始めたり、謎が謎を呼ぶ展開で周囲は恍惚の表情へ。「本当はこれが本来のマツケンの姿」と指摘する声もあり納得。サンバは例外的な歌なのね。
それでも元気な曲になるとスタンド席はジャニーズコンサートよろしくファンの持つ電飾の点滅がきれい。「マツケンでGO」とか、結構な難曲をこなしていくマツケンに心奪われて。
第二部はグランドに降りて、振り付けをナンチャンやらに教えてもらいながら、マツケンをみんなで踊るという世界へ突入。会社帰りにちょっと寄ってみたようなお父さんたちが、鞄を置き、コートを脱ぎ始め、腰を振り出すまでにいたる過程を見ていた僕は、なぜだか少し感動してしまった。
さんざんじらした挙句、マツケン登場。教祖に合わせて念仏踊りの態。
アンコールでは香取慎吾が登場。目の前にいた男性は両手を小刻みに震わせながら「キャアア、キャーキャー」とトランス状態に入ってしまうほど。
司会の吉田照美が最後に「はい、じゃあ松平健さんに『ありがとうございました』の拍手をいたしましょう」とうながす。もう、教祖扱いなんだから。信者たちは崇め奉りながら、金色の神様に拍手を送り続けるのだった。