来たるべき90年代とはなんだったのか論にむけて

「草思」4月号は「80年代とは何か」特集。柏木博や北田暁大のパルコ論を批判した三浦展の文章が最初は飛ばしてて面白かった。途中から妙に落ち着きが良くなってくるんだけど。セゾン文化セゾン文化というが、パルコ文化とは別であったと。堤清二と増田通二は違うぞということなんだけどさ。ただ、今月の「草思」で一番共感できたのは、現在20代前半であるという「草思」編集者の編集後記。彼(彼女?)曰く、田舎に住んでいた私にとってセゾン文化とはなんだったのか今も全く分からない。そうなんだよなあ。セゾン文化ったってよくわかんないんだよなあ。この延長線上にもちろん90年代がくるわけなんだけど、これさえ10代の多感な時期を田舎で過ごしたものとしてはピンとこない。いずれ、90年代とはなんだったのか論が出てくるだろうけど、それはどうしても東京中心の文化論になってしまうだろう。そのとき、それを90年代として感受してしまう若者が、「80年代といえばセゾン文化」と思い込んでいたわたくしのように、たくさん出てくるだろう。ただ大事なのは、自分が実感している時代の雰囲気だと思うので、そういった言説に惑わされずに、自分だけの時代相を持ちつづけることだと思うのであった。4月のはじめだからって、なんだか新社会人への訓話みたいになってる。