桜日和

晴れやかな日。天気がいいので昼休み、京橋へゴッホ展を見に行く。が、国立近代美術館には長蛇の列。ゴッホは人気あるなあ。こりゃまともに見れんわいと断念。神保町にでも行こうかと思ったが、ふとお堀のほうを見やると桜が満開。しだれざくらが風にそよぐ。
桜につれられて毎日新聞社の向かいでベンチに腰かけ鞄の中に忍ばせといた、こうの史代『夕凪の街 桜の国』を読む。これは良い漫画だった。何と言うかね、歴史というのはどこかできっちり区切られてコンプリートされるようなそんなものじゃないと、現在は過去なんだということを改めて知らしめてくれたというか。
まあこんな堅苦しい感想になったのは読んでから時間が経っているからなのであって、読了直後は広島の原爆ドームの前で空を見上げたときのその青さを思い出したり、思いもしなかった大叙事詩を読んだ感動にひたったり、ただいい本読んだなあという余韻だけがあったのだけど。
図らずも(少し図ったけど)桜のもとで桜の国を読んだのだった。
ちなみに帰りがけ、九段を通ったら靖国は桜満開。ザ・日本という感じだった。