ジェイムズ・アンソール展

庭園美術館にてアンソール展。執念で行く。
ベルギーの世紀末画家。印象派風タッチでの習作もあるが、メインは幽霊やキリストや骸骨が出てくる画。伊藤忠太の妖怪画みたいに、またはウォーリーを探せのように、群衆の中に変な妖怪が潜んでいる。あるいは死神が空を飛んでいたり。
シノワーズといって東洋画を模写して、その構図や色彩を勉強してたらしい。北斎漫画の模写とかあった。商人を追い払うキリストの画で逃げてる商人たちの姿は逃げまどう大塩平八郎、伴大納言絵巻の応天門の変で逃げる貴族たちを思わせる構図だった。そういえば楽園を追放されるアダムとイブの画もあったが、西洋に逃げるモチーフはないのかしら。
アンソールの絵には風景画にさえ必ずといっていいほどちらほら人の影がある。人を描かずにはいられない心理やいかに。(アンソールは結婚していない)

宇野千代展も今日までだった。行けず、無念。