無防備に言葉を投げかけるテク

ナラタージュの感想に感想をいただいた。ずるい男の書き方に「そうそう」と既視感をおぼえたのは紋切り型だからではなくてリアルだったから。紋切り型とリアルってよく考えれば正反対の概念だなあ。それはともかく、明らかに媚態、うまい言い訳、そして作中に出てくる「無防備に言葉を投げかけ」、そういうのが「ずるい男」のテクとして出ている気がした。そういう意味で安野モヨコハッピーマニア』の男たちは前者の意味での既視感があったかもしれないけれど、『ナラタージュ』の男たちは後者の意味での既視感があったのでした。ほんとね、小野君ってのはずるいんだ、やることなすこと。妻夫木聡が適役かと。
あと、官能シーンがけっこう「おおお」という感じで、これはこれでなかなかどうして島本理生は。

昨日、天王洲でシュトックハウゼンの来日公演があったらしい。約30年ぶりの来日とか。覗きにいってみたかった。シュトックハウゼンねえ。聴いたことあったっけか。もうそれすら、おぼろげな深夜。
ああ、あと小島なおの短歌が「文藝春秋」7月号にのっている。顔写真はないけれど。