この日何の日気になる日

佐藤卓己『8月15日の神話』を読みはじめる。確かに、8月15日とは「中途半端」な記念日なのだ。玉音放送放送記念日、くらいのものなのだ。ポツダム宣言受諾は前日の14日。降伏文書調印は9月2日。1955年、つまり戦後10年から朝日新聞終戦特集で先導した「8月15日神話」。その「神話作用」の解きほぐしが面白そうな予感。玉音放送の4分37秒からジョン・ケージ4分33秒に話がつながっていくあたりと、ラジオ放送を再現する箇所できちんと「君が代」が流れるタイミングを明記するあたり、そして佐藤卓己自身がいうように「テレビっ子」であるあたり、この人は音の人だと思う。読みながら、聴覚が刺激される。珍しい学者の書き手だ。