選挙小説/小島なお新作/成瀬「女の中にいる他人」

解散前に買っておいた真保裕一『ダイスを転がせ』を読み始めるのだが、なかなか調子が出てこない。舞台が選挙に移るまでが腰が重いのと、主人公の友人が選挙にでる動機が今ひとつピンとこない。ホリエモンみたいに興味本位で出てみる、という動機のほうがおもしろいくらいだ。このまま読み進めるべきか悩んでいる。

小島なお東京新聞8月27日夕刊に出ている。「蜩の声」と題して7首。
写真が大塚愛に似ている。でも歌は盗作じゃなく、オリジナル。

夏の曲口ずさみながら思い出す同じ映画を三度みた夏


成瀬巳喜男女の中にいる他人』を観る。いまやツーカーの老人用携帯の顔になっている小林桂樹がわかくてまぶしい。成瀬にしてはめずらしいサスペンス。作りこまれたフラッシュバックによる回想場面や、わざとらしくさえある音の演出、場面の演出(雷とか停電とか、いきなり子供が風船割ったり)がかえって新鮮で面白く観る。小津の「お早よう」に出てくる子供を思わせる、こどもこどもした子供たちのせりふまわしにも口元がほころぶ。休日に連れて行って欲しい場所を巡って「ドリームランドっ!」「ドライブーぅ」と兄妹で言い合う場面とか。加東大介がバーテンの役で登場。「秋刀魚の味」を思わせる。