宇都宮の晩餐

昼、ロアルド・ダールの『チョコレート工場の秘密』を読む。柳瀬尚紀の新訳である。登場人物名の「翻訳」についてあとがきで触れているが、なるほど柳瀬チックな試みである。『西遊記』よろしく、途中に「詩」が出てくるんだけど、これまた柳瀬脚韻教授は昨今の日本語ラップを凌駕する日本語の脚韻を弾ませる(原文の詩をなぞってみたくなる)。なんともSFなのであるが、童心に帰った様な気になる面白い話だった。映画化の弾みもあって、10万部超えたとか。

晩ごはんは餃子がいい、と宇都宮へ行く。新幹線で1時間。近いもんだ。「みんみん」という餃子屋の本店があいにく閉まっていたので、駅ビル内の「みんみん」で水餃子と焼き餃子とご飯のセット。オーソドックスな焼き餃子。水餃子は大振りで好きだった。宇都宮は東武宇都宮とJR宇都宮でかなり距離があるから注意である。東武宇都宮のほうに「きらく」という餃子屋があり、何だか気になるので行くが閉店してた。宇都宮は109も閉店してた。地方都市の厳しさよ。しょうがないので東武の中にある餃子屋を目指すが、ただの中華レストランで興がそがれる。やめて、日本一のバーテンダーがいるバーへ。結構大きな店構え。オリジナルカクテルの甘いのとギムレット。ももベースのミックスジュースもおいしい。贅沢な旅の最後は、先月末オープンしたという「餃子共和国」。郊外のパチンコ屋のなかにあり、ナムコ資本という感じなのだが、なかなかいい感じ。「めんめん」という「みんみん」にとてもよく似ている店の焼き餃子と、横浜「招福門」の海老揚げ餃子と、宇都宮系の水餃子、学生に人気の210円で6個の餃子などを歩き食べる。共和国内は携帯が圏外になるなど心憎い演出に酔いしれながら、5時間弱の宇都宮滞在を終え、帰京。