くるりと京急

くるり、といっても岸田繁ということになるのだが、電車とは切っても切り離せないバンドなわけである。岸田は「レイルマガジン」に連載を持っていた(最近あの雑誌を見かけない。どうしたのだろう)し(英国地下鉄発達史を紐解いたり、かなり力の入っていた連載で読み応えがあった)、なんてったって作品のいたるところに電車が見え隠れする。たとえば「アマデウス」という曲はピアノが奏でる踏切音が絶え間なく伴奏として続くし、「Mind the Gap」はロンドンのチューブ=地下鉄の放送をサンプリングして作品内に使用している。岸田はモーター音を録音している(この話も雑誌連載に披露していて非常に興奮した)が、「水中モーター」というマブチモーター礼賛のこの歌もまた、くるりの電車歌に数えていいのかもしれない。
そんな岸田は京急ファンなのだそうで、このたび、というか9月22日リリースだが「赤い電車」という新曲を出す。赤い電車とは京急電車の愛称だそうだ。「赤い」と聞くと赤いシリーズ山口百恵であるが、さもありなん山口百恵京急沿線住人である。原武史氏によれば京急は芸能人と縁が深いとのことだ。山口百恵美空ひばり和田アキ子(? たしか)などの名前があがっていたはず。京急といわれても、品川から羽田に行くときに使う時もある、くらいのものだが、岸田はその魅力をこう語っている。

 「赤い電車」は、あったかくてスピーディ。そんなイメージがたくさんの人に伝わればいいな、と思い制作しました。最近の電車は全部銀色だから、子供達も何線に乗ってるか判りにくいし、大人達も仕事に追われてる毎日なのにひんやりしてしまう…。

たしかに電車に色があってしかるべきというのは、そうかあという感じ。東京メトロ半蔵門線は車体を全部紫にしてしまうくらいの気概が必要ということか。
そういえばくるりの新曲は「Super Star」であるが、どうもユーロスターのように響く。PVを見ていたらロンドンの郊外っぽかったのでますますそんな気になったんだが、どうやら本当にロンドンで撮ったものらしい。

それはそうと、監督が覚せい剤で捕まった「空中庭園」は公開される見通しらしい。板尾創路の演技を見てみたかったので、見れることは何よりだ。