芥川賞は芥川賞に倣え

芥川作曲賞というのがある。作曲界の登竜門的賞。芥川龍之介の息子、也寸志の名をとった賞。先日今年度の選考会があったそうで、斉木由美《アントモフォニーⅢ》が受賞。実は公開の選考会で決まるらしい。サントリーホールで候補作が新日本フィルに演奏され、全曲演奏後、湯浅譲二、野平一郎、猿谷紀郎による公開ディスカッションがステージ上で行われたんだという。文藝のほうの芥川賞でこんなことしたらいったいどうなるんだろう。むかし選考会の実況中継記事はあったんだが、いまはもうできないのだろうか。というか、作曲賞のほうは観客の反応とかに左右されることはないんだろうか。観客は静かに選考委員の議論を聞いていたのだろうか。拍手なり、しらけなりあったと思うので、少なからず観客の意思も働くと思うのだがさて。
芥川賞に共通していることもあって、そのひとつは若手の登竜門とはいえベテランが受賞することもままあるというあたり。今年の斉木由美もベテランの近いらしい(聞いたことねー)。阿部和重の受賞に似ているか。