空中庭園、というより鴛鴦歌合戦のDVDが出ることに感涙

豊田利晃空中庭園」。角田光代の原作は登場人物の一人称でもっての連作だったのだが、映画化するにあたってはそうもいかないので、うまく豊田利晃監督が脚本化していた。この映画、期待通り、「良」。原作と比較しようがないし。
静−動−静と話は流れてゆくが、この最初の「静」かに家庭が営まれている段が怖くてしょうがない。「隠し事をしない」京橋家のそれぞれの「隠し事」が「隠されたまま」の「静」が。逆に「動」の部分は「隠し事」が表立ち、刺々しいやりとりの段になると気持ちがいいというのも変だが変な安堵感があった。
まあいろんな仕掛けというか、観かたというか、読み解き方ができると思った。「窓」の存在に注目したり、「視点」は何なのかと考えてみたり、「赤」の使い方に意味を見出したり、舞台であるショッピングモール「ディスカバリー」の再開発中止という(物語上)存在感のない出来事を深読みしてみたり(これは原作でも思った)。
小泉今日子「窓」ソニン「窓」の使い方、は象徴的だった。小説では気づかない視点だった。だからそういう意味で、いい映画だった。紆余曲折あったけど、公開されて良かった。
鈴木杏はヘタだったなあ。あれはないんじゃないか。大楠道代はさすが。ソニンとの対決は見ものだった。
あと、パンフレットは情報量が豊富。キャストはともかく、スタッフのインタビューがあるというのは面白い。エンドロールを見逃したんだが、ロケ地もこれで確認できた。おまけで角田光代の「空中庭園」続編まで収録されてるし。これはいいパンフレットだ(そして商売上手だ)、さすが原作本を出した文藝春秋のやることだなあすばらしい、とおもったら版元は「リトル・モア」だった。

面白いニュースの多い日だったように思う。
夕刊全紙トップ(たぶん)は「東証機能ストップ」。日経は怒りがにじみ出ている書き方で一面を埋めていた。
先物グローバリーの社長逮捕ってのもなあ。野口みずきも気の毒。「週刊文春」の阿川対談、今週は野口みずきらしいなあこれが。
ジャンボ尾崎の破綻ってのもまたをかし。
あと、今日じゃないけど猪口邦子の青いドレスは凄かった。かぼちゃおばさんというかんじ。
亀井静香の誕生日でもあったらしい。(いかりや長介と同じなんだね)テレビ朝日の富川悠介が好物のバナナを届けているのを「報道ステーション」でやってた。この富川悠介、二子山親方の告別式会場で本番前の女性レポーターにニヤニヤしながら声をかけていたので、あんまり信用ならないなあといつも思っている。

いま「ジャポニカロゴス」見てるが、あれ金田一秀穂が出ておらず、町田健が先生になってる。町田健ってソシュールの専門家だったっけか。