本谷有希子「ぜつぼう」

水曜日は晴れていたので、まず洗濯。洗濯しながら年末休暇に思いを馳せる。三谷幸喜の「12人の優しい日本人」、人気ありすぎだぞ。先行で買えなかったのでさてどうするか、財布と相談すること2時間という感じであった。
成瀬巳喜男の「女が階段を上る時」を見つつ、うつらうつら。ストーリーは特に面白いとも思わなかったけど、カッコいい映画。音楽も画も。音楽は黛敏郎。衣装は高峰秀子だったりする。加東大介が、ここでもいい味。上島竜平みたいなキャラなんだが。

寝転んで本谷有希子の新作「ぜつぼう」(群像11月号)読む。
これ、夢なのかね。どこかにそれが分かるカギが仕掛けてあるのかもしれないけど、夢じゃなかったら無理やりな設定とバッサリ言われかねない感じ。前作の「被害者の国」よりはライトなので読むぶんにはよかったが、さて。
雑誌のコピーを一枚一枚読んでいたので、結末のページから、重ねてあった冒頭部の数ページへ飛んでも気がつかなかった。でもそれが違和感なしだったのである。「続いているんだから、終わっていない」という言葉が出てくるんだが、まさに永遠に続く感じの話。絶望を絶望と意識しきれないことの苦痛が永遠と回り続くみたいな。だから不眠症の主人公は実は寝ているんだと思います、先生。

平岡正明『哲学的落語家!』読み始める。
枝雀の話。ちょっといまのところ、とっつきにくい文体だな。でも枝雀の「三十石夢の通い路」は聴いてなぜか泣いてしまった噺なので、興味深く読もうと思う。