ローカル岡逝去/「THE 有頂天ホテル」

オジャマモンホリエモンとすごいことになっている。そんな中、加藤芳郎が逝去したが、新聞の訃報欄にはローカル岡の名前もあったことを忘れるわけにはいかない。ローカル岡、62歳、肝硬変。お正月の「爆笑ヒットパレード」でいつだったか晴れ着の若者を前に、あの面白さを排するかのようなネタを繰り広げていたことを思い出す。若者たちは困ったような笑いをするしかなく、しかしローカル岡はたんたんと、特に機知に富んでもいない飄々とした「ぼやき」を繰り返す。小沢昭一が大衆芸能は面白いものだけでなく面白くないものを含めて面白いのである、というようなことをどこかで書いていたと思う(たしか)。そういうことであろう。合掌。

三谷幸喜の映画最新作「THE 有頂天ホテル」を観る。
おもしろい。まったく三谷幸喜の緻密が発揮されていると思う。映画だからこちらも期待する壮大なスケール、も十分。群像のあやなす関係の網も満足。ただ、豪華すぎるキャストが2時間17分の枠では収まりきれていないので、ひどくもったいない気がしてしまう。まあ考え方を変えれば、たとえば西田敏行佐藤浩一が映画の中で唯一、一瞬だけ交差するシーンがあるんだが、そういうノンストップ(2時間の話を2時間の映画にしたものなので)性のスリルを贅沢に消費するべきなのかもしれない。角野卓造伊東四朗がYOUを間にはさんで語るシーンがある。こういうシーンが観られるのが三谷作品ならではなのである。