中村助教授

各方面から使い捨てコンタクトレンズ(ツーウィークアキュビュー)におけるCMの岩田さゆりの前は上原美佐ではないとの抗議が殺到。「ワンデー」アキュビューと「ツーウィーク」アキュビューで系統が違うのでした。上原は「ワンデー」のほうですた。史実はしっかりと確認しないとダメですね。

東大出版会の「UP」4月号は恒例の「東大教師が新入生にすすめる本」。年々、先生方にも気合が入ってきてるのか、今年はみなさん文字量が多い。推薦力がほどばしってる。全部読んでないがその中で、中村尚史助教授(日本経済史・経営史)の文章がくすぐられるようなおかしみをもっていた。一発目に家永三郎の『植木枝盛研究』を薦めるのだが「念のために言い添えておくと、私は決して新入生の皆さんに『植木枝盛研究』を薦めているのではない」。分厚い名著に挑み読了することはひとつの成功体験になりますよ、ということなのだが、いきなりこうきたので笑ってしまうじゃないか。実はこの先生の文章は最後から読んだのだが、これがまたはじけておる。4冊目は自著『日本鉄道業の形成』を薦めるのだが、

「若気の至りで『本書の考察によって日本鉄道業の研究は新たな局面に入った』などと筆を滑らせたところ、お世話になっている先生から早速、『そんなことは後世の人が評価することであって、自分で書くべきではない』と諭された。『しまった』と思ったが、後の祭りである。冷静になって考えると本書は構成に大きな欠陥があり、どう贔屓目に見ても『面白い本』とはいえない」

それで面白い本ではないけれど「役に立つ本」であることを願い、結んでいる。謙虚というか、自嘲というか、なんか腰の引け具合が並大抵でない感じで、面白いのであった。こう言われてしまうと『日本鉄道業の形成』が気になってくるしな。