チャンチキおけさ

50万枚のデビューってのはしかし凄い。三波春夫。デビュー曲「チャンチキおけさ」は、「ALLWAYS 3丁目の夕日」の集団就職の時代に元気を与えたんだそうだ。その後追うように村田英雄は「無法松の一生」でデビューするんだが鳴かず飛ばず。32枚目のシングル「王将」を待たなければならない。
講談師・酒井雲坊(村田英雄)と南條文若(三波春夫)の出会いから、二人の昭和を追っていく構成がうまく、ためになった。そうなのか、二人の最初の出会いは「よみうりホール」なのか。
NHKのBS2でやってる「昭和歌謡黄金時代〜三波春夫と村田英雄」が面白い。今日見ようと狙っていたが正解だ。しかし、晩年(病気になる前)の村田英雄は演奏と歌唱の乖離がはなはだしくて痛々しい。三波春夫永六輔に頼んだ最後の歌に大苦戦しているさまが声からわかり痛々しい。
二人は二項対立してて、三波/村田=明/暗なところがないでしょうか。「こんにちは」三波はすっからかんに明るいが、「人生劇場」村田の歌のなんと重々しいことよ。今聴くとまるで呪文だ。でも、番組の最後に二人が同じステージに立つ「歌謡コンサート」(確か)の映像が入り、二人で「チャンチキおけさ」を歌う場面が紹介される。そこでは村田英雄が結構軽いおけさを嬉々として歌っていることが分かり、あまり口を利かなかった二人の関係も実際、この番組を機に脱構築されたようだ。泳ぎ疲れてふらふらしてたが、いい番組を観て回復。しかし、泳げなくなってたことに愕然……。