清水宏をスクリーンで観る

池袋新文芸座清水宏「有りがたうさん」「信子」。
ああその前に、昨日マックで「エビフィレオ」を食べた。お菓子みたいだった。エビ、ねえ。エビなんだなーと真剣に食べると不安になる食べ物でした。
「有りがたうさん」は川端康成の掌編を原作にしている作品。一回ビデオで観たはずなんだが、劇場でみると違う。こんなにいい作品だったのに、何で印象に残ってなかったんだろう! 要は静岡の山中と町を往復する乗合バスの、ものすごいお人よし運転手(上原謙)と乗客たち、山道で行き交う人々とのほのぼのした交流(交流しない交流も含めて)。これが実に味わい深いロードムービーなのだった。しかも風景や山道での出会いだけでなく、バス車内でのやり取りにもかなり重点をおいていて、密室群集劇として面白い。でも当時(1936年)のキネ旬では不評だったらしい。なんでだろう。
『映画読本 清水宏』(フィルムアート社)によればこれ、オールロケだったそうな。
「信子」は獅子文六原作。女坊っちゃん、って感じで、ストーリーも読めてしまうし、これは冗漫だった。