宝塚戦略

津金澤聰廣『宝塚戦略』(講談社現代新書)を読んでる。結構面白い。小林一三が「上毛新聞」の懸賞小説に当選したとき、同時に田山花袋も当選してるとか、そういう横道も面白いんだが、阪急と阪神の関係も興味深いものがある。阪急は戦前からプロ野球=職業野球には力を注いでいたようで、日本初のプロチーム「日本運動協会」が大震災で解散したとき、それを引き継いで阪急は「宝塚運動協会」を設立したりしている。でも本格的なプロ野球のはじまりは1934年の読売巨人軍の設立を待たなければならない、というわけで津金澤氏は阪急のプロ野球への着眼の早さを指摘している。阪神電鉄がチームを作ろうとしたとき、急遽阪急も球団を作ったという話も阪急タイガースも現実味を帯びてきた今、味わい深いものがある。
郊外論的にも面白そうで、楽しんで読んでいる。
そういえば電鉄といえば、今日発売の「新潮45」で五島慶太堤康次郎の闘いみたいな記事があるようで、気になる。あと週刊新潮の「さらば笑点 円楽 笑いと病の40年」も。