伊井直行「青猫家族輾転録」(「新潮」4月号)
ちょうど村上春樹の「東京奇譚集 偶然の旅人」というのも掲載されている。
朝日新聞の島田雅彦の文芸時評では「同じ作者が続けて書いているのではないかと錯覚するほど両者の作風が似ていた」と書かれていた。
そういえば、伊井直行と村上春樹って同時期に芥川候補になっていなかったっけ?
第91回 1984年度(昭和59年度・上半期)
受賞者なし
最終候補作
伊井直行「パパの伝説」(『群像』2月号)
小沼燦「繭に入る女」(『文學界』5月号)
桐山襲「スターバト・マーテル」(『文芸』6月号)
高瀬千図「イチの朝」(『早稲田文学』3月号)
第101回 1989年度(平成元年度・上半期)
受賞者なし
最終候補作:
崎山多美「水上往還」(『文学界』4月号)
伊井直行「さして重要でない一日」(『群像』4月号)
多田尋子「裔の子」(『海燕』4月号)
大岡玲「わが美わしのポイズンヴィル」(『文学界』6月号)
魚住陽子「静かな家」(『こみゅにてぃ』25号)
荻野アンナ「うちのお母んがお茶を飲む」(『文学界』6月号)
第114回 1995年度(平成7年度・下半期)
又吉栄喜 「豚の報い」最終候補作:
柳美里「もやし」(『群像』12月号)
中村邦生「森への招待」(『文学界』12月号)
伊井直行「三月生まれ」(『群像』9月号)
原口真智子「クレオメ」(『季刊午前』10号)
選考委員:池澤夏樹、石原慎太郎、黒井千次、河野多恵子、田久保英夫、日野啓三、古井 由吉、丸谷才一、宮本輝、三浦哲郎、大江健三郎、大庭みな子
てっきり候補時期が村上春樹とかぶってたと思ってたけど、思い違いだった。
ちなみに村上春樹は
第81回 1979年度(昭和54年・上半期)
受賞作なし
のときに、「風の歌を聴け」 (『群像』昭和54年6月号)
で。
そのあと第83回 1980年度(昭和55年・上半期)
のときに、「一九七三年のピンボール」 (『群像』昭和55年3月号)
で候補になったのみ。
伊井直行はそのあとに候補になりだしたということでした。
で、最新作はどうだったかというと、ちょっと期待はずれだった気も。
絵は浮かぶんだけどなあ。