個タクの人

出先で具合が悪くなって神奈川県内の病院に行く。乗せてもらったタクシーの運転手さんに「内科の病院へお願いします」というと、ここはいつも人がいるから、と案内してくれた。「私もね、去年胃がんやっちゃって」と語る60がらみのおじさんは「身体が弱らないように馬刺しを一日おきに食べてる」のだそうで、聞けば「近くの肉屋さんで刺身にしてもらってうちで食べる」というから一人なのかもしれない。「休みの日にはね、何にも考えないで、ぼーっと過ごすのがいちばんなんですよ。明るいうちに風呂に入ってね、今日の酒のつまみは何にしようかな、なんてことを考えながらね、最近はナスもうまいしなんてね。あとはテレビを見て過ごすのがいちばんいいですよ」。「それがいちばんですよねえ」と相槌のため言葉に出すと、ほんとにそうだよなあ、と実感する。
内科の先生は中村扇雀に似てた。簡単な採血検査と点滴。疲れてたんでしょうと、ドクター扇雀

帰りにニュースを見たらロンドンで同時多発テロが報じられている。2012年のオリンピック開催が決まった次の日にこれか。いやな感じだ。何回かニュースを見てるとラッセルスクエア駅は初めてロンドンに降り立ったときの駅だったことに気づく。ええー、としか言いようがない。