西島大介「ディエンビエンフー」/韓国の綿矢りさ

先日、新宿ルミネのブックファーストで買ったのは『安田講堂』と『ディエンビエンフー』。うっすらと実はつながっている本なのであるが、まだ『安田講堂』は読んでいない。
かわいい絵なんだけど。映画観てるみたいだった。はじまりの3ページくらいを読んだあと、ちょっと用があって読むのを中断したのであるが、ずいぶんとその印象が残っていた。ベトナム戦争、戦地に赴いている日本とアメリカのハーフの17歳がめちゃくちゃ強い戦闘農民少女と出会う。でも1巻目はまだ出会っていない。冒頭でティム・オブライエンの「本当に信じがたいほどの狂気を信じさせるにはまともな話というものが必要である」という『本当の戦争の話をしよう』の言葉を引いているんだが、そういうことである。そしてそれをもう一回転させている、とはあとがきの弁。「漫画みたい」な話なんだが、そうでもしないと本当に近づけないくらいである、というところだろうか。たしかに。

「NONFIX」を朝見る。テレビ欄に「日本文学」とだけ書いてあるのでなんだと思ったら、日本人作家にしてプロデューサーの女性が韓国の日本文学ブームをたずねていくものだった。それほど面白いものではなかったが、韓国にも綿矢りさみたいのがいて、河出よりもっとあこぎに商品化していて、その娘に作品にちなんだ歌曲でCDデビューまでさせているあたりは失笑を禁じえなかった。